「夫が専業主夫になりたがってるんだけど、専業主夫って実際どうなの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
結論から言うと、専業主夫はあまりおすすめできません。
世間が思っている以上に、専業主夫になるデメリットは大きいからです。
そこで今回は、専業主夫のデメリットを中心に、なぜ専業主夫がおすすめできないかを解説していきます。
私自身、病気になった関係で1年間ほど専業主夫をやりましたが、正直二度とやりたくないです……
この記事を読むことで、ご主人に専業主夫の大変さを説明できるようになります。
ぜひ今回の記事を、夫婦での話し合いの参考にしてください!
事実、専業主夫はほとんどいない
まず、現在の日本において専業主夫はかなり少数派であることを解説していきます。
ここでは専業主夫を「結婚はしているが仕事をしておらず、家事を専業で行っている男性」と定義します。
2020年の総務省「国勢調査」によると、有配偶者の男性30,137,936人のうち家事を専業にしている人は962,993人で、全体の約3.2%という結果でした。
さらにこの統計から20~64歳に対象を限定すると、有配偶者男性18,404,879人のうち家事を専業にしている人は123,860人で、全体のわずか約0.67%。
つまり、働き盛りの年齢で専業主夫をしている男性は100人に1人もいないことになります。
専業主夫はかなりの少数派であると言って良いでしょう。
出典:総務省「2020年国勢調査」
専業主夫のデメリット10選【実体験】
ここからは、筆者自身の経験に基づく専業主夫のデメリットについて解説します。
デメリットは以下の10個です。
ひとつずつ詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
1.世帯収入が減る
1つ目のデメリットは、世帯収入が減ることです。
残念ながら専業主夫をどれだけ頑張っても収入は得られません。
そのため、世帯収入は奥さんの収入のみということになります。
奥さんの稼ぎだけでも十分にやっていけるご家庭であれば問題は無いのですが、共働き家庭と比べて収入面で不利になるのは確かでしょう。
2.お金が自由に使えない
2つ目のデメリットは、自由にお金が使えないことです。
経済的に奥さんに依存している状態ですので、お金を自分の自由には使うことは難しいです。
もし奥さんが稼いだお金を自分のためにバンバン使っていたら、揉め事になることは避けられないでしょう。
お金が自由に使えないことは、自分の趣味などにお金をかけたい人にとってはかなりのストレスになります。
3.家事が思った以上に大変
3つ目のデメリットは、家事や育児が思った以上に大変なことです。
「家事は普段から手伝っている」「一人暮らしの頃に一通りやってた」という男性も多いかもしれません。
しかし、専業で家事をやる以上、求められる水準は高くなりますし、少なくとも奥さんが納得するレベルには到達する必要があります。
人によって家事のやり方や基準は違うので、しっかりすり合わせておかないと、思わぬ不和の原因になる可能性も。
もともと奥さんのほうがメインで家事をやっていたというご家庭の場合は特に、慣れるまでは苦労すると思っておいた方がいいでしょう。
4.育児が思った以上に大変
4つ目のデメリットは、育児が思った以上に大変なことです。
共働きの家庭でないと保育園に入ることは難しいケースが多いので、小さい子どものいる専業主夫は必然的に自宅保育を行うことになります。
「育児には積極的に参加している」「子どもと遊ぶのは得意だから大丈夫」というパパは多いことでしょう。
しかし、たまに関わるのと四六時中一緒にいるのでは難しさのレベルが段違いです。
私の場合、保育園に行っていない3歳の息子とほぼ毎日24時間一緒にいる状態だったのですが、目は離せないし家事は思うように進まないし、日々遊びのネタを考えるのも大変で、常にヘトヘトでした。
正直、ずっと子どもといるのが嫌になったこともあります。
小さい子供がいる場合、専業主夫はかなりの重労働になります。
5.自己肯定感が低下する
5つ目のデメリットは、自己肯定感が低下することです。
働いてお金を稼いだり、成果を残したりすることは「自分は社会で必要とされている人間だ」という実感を得やすく、それだけで自己肯定感を高めることができます。
しかし専業主夫にはそれがないため、自分の価値を低く感じてしまいがちです。
自分の能力を発揮する場所が家庭内だけになるということは、自己肯定感を低下させる可能性があるということを覚えておきましょう。
6.孤独を感じる
6つ目のデメリットは、孤独を感じることです。
専業主夫は人口が少なく、同じ境遇の仲間に出会うことが滅多にないため、つらいことや苦しいことを共感しあえる存在ができにくいです。
また、子どもを持つ専業主夫になるとその傾向はさらに顕著で、周りはママさんがほとんどなので、疎外感を感じることが多くなります。
専業主婦以上に孤独を感じやすいのも専業主夫の大きなデメリットと言えるでしょう。
7.世間とのギャップが大きい
7つ目のデメリットは、世間とのギャップが大きいことです。
専業主夫の場合、家族以外の人と関わる機会はそれほど多くありませんが、それでも買い物や美容院に行くなどして他人と関わることはあります。
その際に「今日はお仕事はお休みですか?」などと聞かれることがよくありますが、そこで「専業主夫なんです」と答えると、高確率で微妙な空気になります。
私はそれが嫌なので「はい、今日は休みです」といつも答えていました……
「世の男性たちは働いているけど、自分は働いていない」という負い目を周囲から意識し続けさせられるのも、専業主夫のつらいところです。
8.妻の両親に対して気まずい
8つ目のデメリットは、妻の両親に対して気まずいことです。
現代の日本において専業主夫は少数派であり、かなり特殊な存在です。
そのため、女性側の両親が抵抗感や拒否感を示すのは当然のことと言えますし、不満を持たれる可能性も少なくありません。
私の場合は病気が原因で専業主夫になったので「仕方ない」という目で見てもらってはいましたが、それでも妻の両親に対して気まずい思いはずっとありました。
若者世代にとっても少数派である専業主夫という生き方を、理解してくれる親世代はかなり少ないと思っておいた方がいいでしょう。
9.友人との会話が嚙み合わない
9つ目のデメリットは、友人との会話が噛み合わないことです。
男性が友人間で会話をする際に、仕事の話題が中心になることは少なくありませんが、専業主夫の場合、仕事に関するネタが無いため、聞き役に徹することになりがちです。
さらに、自身が働いていないため仕事の話を聞いてもあまりピンとこず、結果的に会話があまり盛り上がりません。
その結果、友人と会話する機会そのものが減ってしまうこともありえます。
友人との交流の面でも専業主夫はマイナスにはたらくことが多いと言えるでしょう。
10.再就職に苦労する
10個目のデメリットは、再就職に苦労することです。
「子どもが小さいうちは専業主夫をして、ある程度大きくなったらまた働けばいい」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、一度専業主夫になってしまうと、自分が希望する仕事に就ける確率は大きく下がります。
残念ながら専業主夫をしていた時期は「仕事をしていなかった期間」と捉えられてしまう場合が多く、キャリアにとってプラスには働きません。
それどころか「何かしらの問題を抱えている人なのではないか」という目線で見られてしまう可能性すらあるのです。
将来的には世の中の価値観が変わるかもしれませんが、今のところ専業主夫になると再就職に苦労するのは確かでしょう。
専業主夫のメリット3選【実体験】
ここまで、専業主夫のデメリットを解説してきましたが、専業主夫にはメリットもあります。
ここからは筆者自身の経験に基づく専業主夫のメリットについて解説します。
メリットは以下の3個です。
これらのメリットを、デメリットよりもはるかに価値あるものと感じられる人は専業主夫に向いているかもしれません。
それでは、詳しく解説していきます。
1.仕事のストレスがない
1つ目のメリットは、仕事のストレスがないことです。
仕事をしないので、当然ながら仕事によって受けるストレスは一切ありません。
毎日通勤する必要もなければ、面倒な人間関係に悩まされることもなくなります。
私自身も、仕事でメンタルをやられて病気になり、専業主夫という道を選んだので、仕事のストレスから解放されたことはとてもありがたかったです。
働き続けることで肉体的・精神的に異常をきたしてしまいそうな人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
2.子どもとの時間が増える
2つ目のメリットは、子どもとの時間が増えることです。
フルタイムで働いている場合、どうしても子どもと過ごす時間は限られてきますが、専業主夫になると、いくらでも子どもと一緒にいられます。
私は専業主夫になるまで仕事漬けの日々を送っていたので、子どもと関わる時間が極端に短かったのですが、それを取り戻して余りあるくらい子どもと過ごせました!
子どもと少しでも長く一緒に過ごして思い出を作りたい人には大きなメリットと言えるでしょう。
3.妻が仕事に集中できる
3つ目のメリットは、妻が仕事に集中できることです。
ご主人より奥さんのほうが「仕事が好き」「稼ぐ能力がある」というご家庭も少なくないでしょう。
奥さんが仕事に全力で打ち込みたいとき、ご主人が専業主夫として家庭を守ってくれるのは大きな安心につながるはずです。
奥さんの家事の負担を無くしてあげられることも、専業主夫のメリットです。
専業主夫に適した夫婦の3つの条件とは?
ここからは、専業主夫に適した3つの夫婦関係について解説します。
専業主夫のデメリット・メリットを知ったうえで「専業主夫になりたい」と思ったとしても、以下の条件が揃っていなければ、専業主夫にはならないほうが良いです。
具体的には以下の3つです。
ひとつずつ詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.妻の収入だけで家計が成り立つ
1つ目の条件は、妻の収入だけで家計が成り立つことです。
当然ですが、いくら専業主夫になりたくても、自身が働かないことで家計が破綻してしまうのでは元も子もありません。
奥さんの収入が十分にあり、経済的に安定していることが絶対条件となります。
2.関係性が対等である
2つ目の条件は、関係性が対等であることです。
専業主夫の生活は奥さんの収入に依存する形になりますから、家庭内において奥さんより弱い立場になりがちです。
専業主夫になったことにより対等だった立場が変わってしまうと、お互いに対する感情も変わってしまう可能性があります。
どちらかが働いていなくても対等な関係でいられる夫婦でないと、専業主夫を続けることは難しいでしょう。
3.お互いに納得している
3つ目の条件は、お互いに納得していることです。
専業主夫は特殊な存在であり、デメリットも非常に多いことは本記事で解説してきました。
そのため、専業主夫になるにあたっては、双方が納得し得るだけの理由がなければなりません。
「専業主夫になりたい」「専業主夫になってほしい」という一方の気持ちを押し通してしまうと、将来的に後悔する可能性が高いでしょう。
兼業主夫という選択肢もある
専業主夫になることが難しい場合、兼業主夫という選択肢もあります。
兼業主夫とは、家事や育児などを主に行いながら、パートなどで収入を得ている男性のことです。
兼業主夫ならば専業主夫よりは経済的な安定が見込めますし、お子さんを保育園に入れられる可能性も高くなります。
家庭を中心とした生活をしたいけど専業主夫はデメリットが多くて現実的ではない、という方は兼業主夫を検討してみるのもいいかもしれません。
まとめ
専業主夫は少数派であり、まだまだ世間での認知度も低い存在です。
経験者の立場から言わせてもらうと、デメリットも多く、あまりおすすめはできません。
ご主人が「専業主夫になりたい」と考えているのであれば、もう一度よく話し合ってみてはいかがでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。